金井税務会計事務所

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彼を知り己を知れば、百戦して殆うからず

水曜日, 1月 20, 2016

ご存知、孫子の兵法の一説です。

知識としては誰でも知っていますが、これを現代の経営に当てはめれば、経営の原理・原則に通じるところがありますので応用しましょう。業績の良い会社には、これを確実に応用しているところが多いと結果に出ています。  

 「彼を知り」とは、一般的には同業他社の状況を研究するであると認識されていますが、これをお客様と言い換えることによって状況は変わってきます。

  どんな事業でも、お客様の存在があってはじめて存立することは常識として知っています。従って、事業経営の原点は、このお客様に対して、我が社はどんな貢献が出来るかがポイントとなり、これを命題にすれば経営理念として確立することが容易になります。

  問題は、「己を知る」事が案外疎かになって、的確な対応が出来ていないケースが多いことです。我が社の事は全て理解していると思い込んでいますが、肝心の経営判断に必要な情報が放置されたままで、合計数字に頼りすぎ的確な経営判断が出来ていない場合が多々あります。折角、社内には経営判断に不可欠な金鉱脈があるのに、探り当てることが出来ず、不安を抱えている場合が多いのです。金鉱脈発見の糸口は、数字を分解するところから始まります。

  例えば、売上高については、各得意先の我が社に対する貢献度をチェックするための売上高ABC分析は当然ですが、その貢献度が本物かどうかをチェックするため得意先別付加価値分析も必要となります。これからは、売上至上主義の経営は次第に困難になってきます。さらに、各得意先の過去から現在に至る傾向を知る上で年計グラフの作成も不可欠でしょう。

  次に、我が社の売り上げ構成はどうなっていてるのかをチェックする商品別売上のABC分析、この商品がどれだけ貢献しているかをチェックする商品別付加価値のABC分析、及び各年計グラフの活用です。   業績好調の家電販売店では、社員別販売管理の他に社員別の付加価値管理を行っています。「手間はかかりますが、これがなくては社員管理が出来ません。」と言う返事でした。

  製造業・建設業はどうでしょうか。これらの業種の特徴は、時間管理が生命線であることです。原価管理が出来ていない会社で、業績が良い会社をあまり見たことはありません。直接工が一定の単位(日、時間、分)で、どれだけの付加価値を上げたかが最重要です。(これを賃率と言います。)  ある製品を作るのに、何人で何時間かかったか分からなければ金鉱脈は発見出来ません。これを「工数管理」と言います。各現場で、作業指図書に必要事項を書かせることは社長命令として徹底させなくてはなりません。

  同じ製品を作るのに、A社員は1時間に20個、B社員は40個作ることが出来れば生産性は倍になります。しかし、給料は同額ならばどうでしょうか。物づくりで生産性の考えがなければ、利益確保は困難です。我が社の実際の賃率はいくらなのか、利益を確保するための必要賃率はいくらなのか、常に把握していないと的確な判断は出来ません。   また、歩留まり管理も物づくり企業では生命線です。一般的に工業製品は、投入された原材料の全てが製品にはなりません。不良品が出たり、スクラップが出ます。不良品を取り除いたり、スクラップを計算し、出荷できる製品の割合を歩留まりと言います。これらは全て金鉱脈です。

  これが出来なくて、どうして的確な指示が可能なのでしょうか。これが出来たならば、前記のABC分析から年計グラフを活用する羅針盤を作ることが「己を知る」事なのです。知識は活用することによって「知恵」となります。これが蓄積されて我が社のノウハウとして確立出来るのです。金鉱脈は常に足下にあるのです。

テーマ: 経営