金井税務会計事務所

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税と司法取引

金曜日, 7月 20, 2018

  最近、税に関する取扱規程が厳しくなったことは、事務所通信特別版「税に関する罰則規定の改訂について」で指摘したとおりですが、今回も新たな法律が6月1日から施行されることになりました。

それは、「司法取引制度」です。正式名称は「証拠収集等への協力及び追訴に関する合意制度」と言います。

  国税犯則法が廃止され、「国税通則法」へ編入されたことは、課税強化を狙ったものと言われています。また、いわゆる共謀罪の対象に税法が入ったことで、税務調査の前に司法警察の介入が法的に可能となり税務行政に混乱が生じる恐れが出て参りました。

  さて、「司法取引」とは、一定の犯罪に対して、被疑者・被告人と検察官との間で、弁護人の同意がある事を条件として、被疑者・被告人が他人の刑事事件の解明に協力するのと引き替えに、検察官が被疑者・被告人の事件について有利な取り扱い(処分の軽減等)をすることなどを合意する制度です。

  即ち、共犯者の犯罪を明らかにする見返りに、容疑者や被告の刑事処分を軽くする取引で、従来の日本にはなかった制度で、今後の捜査・公判に大きな転換点を迎えます。犯罪の対象は法律で列挙されていますが、政令で定める財政経済犯罪の中に税法や会社法が含まれていることです。

  ここで重大なことは、自分の罪を免れ、あるいは軽減してもらう目的で行われる「虚偽供述」によって、無実の人間の「引き込み」が起きる可能性が極めて高いことです。

  例えば、会社ぐるみの脱税事件で逮捕された経理担当者が「脱税は社長の指示だった」と供述し、社長が起訴される一方で、本人は起訴を免れるケースも起こりえるのです。   司法取引の導入は、先に述べたように虚偽供述などによる冤罪が増えます。もし、社内や取引先などで犯罪が行われた時には会社として司法取引に応じるかどうか対策を考える必要があります。

  その為には、内部監査の厳格化、不正行為に対する報告義務の実践、機密情報漏洩の厳禁と罰則規定の強化、社内における安易なトップシークレット話題の提供等。

  経営者の自覚として、これまで以上に租税犯罪の撲滅や早期発見に向けて、上記の対策を実行し、我が社の防衛に尽力して下さい。いずれにしても「税」に対する環境が急変している現実を理解して、企業経営に勇往邁進して頂きたく念じ上げます。

テーマ: 税務