金井税務会計事務所

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10年後の税務行政の姿

土曜日, 8月 19, 2017

 国税庁は、本年6月23日に「税務行政の将来像」を公表しました。

 近年、ICT(情報通信技術)やAI(人工知能)の著しい発展を受けて、税務行政をスマート化する方針が確定しました。

  これは、国税職員数の減少と申告者の増加、調査の複雑・困難化、経済取引のグローバル化などにより、現状のシステムでは対応が極めて困難となり国家財政に影響を与えることを危惧しての対応と考えます。

  基本的には納税者の利便性向上を謳っていますが、本音は国際的租税回避への対応、富裕層に対する適正課税の確保、大口・悪質事案への対応が中心となります。

  具体的にはAIやICTを駆使し、申告内容と財産所有情報等を自動チェックして申告漏れの迅速な把握、不動産取引事例などの各種情報の自動収集化、加えて路線価・株価等の自動評定と申告財産の評価額との自動チェック、税務申告書の内容をAIにチェックさせ精緻な調査必要判定、従来税務署の窓口にあった税務相談をAIによる完全自動化。さらに、滞納者情報と財産情報を自動マッチングし、差し押さえ財産の迅速な把握や納付能力の判定などにも利用されます。

  これらを有効活用するため、様々な情報が紐付けされているマイナンバーを駆使してビッグデーター化し、申告が漏れている所得や資産を細かく把握することで租税の公平化を図る狙いもあります。

  しかし、税務調査先をAIが選定しても実際の調査は従来どおり税務調査官が行います。ここで問題になるのが、白黒ハッキリしないグレーゾーンの問題です。今の段階では、グレーゾーンの判定はAIには不向きと言えます。いずれにしても、将棋や囲碁の世界でAI技術が凌駕する時代となりました。

 10年後の税務行政は、課税の公平性はある程度実現するでしょうが、味気ない環境になるかも知れません。

テーマ: 税務