金井税務会計事務所

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様変わりする地方金融機関

火曜日, 9月 20, 2016

中小企業にとって強い味方になるか。

 金融庁の行政指導が、森金融庁長官の誕生で劇的に変わろうとしています。

  それは、「金融行政の目的」を明確に打ち出したことです。その目的とは「企業・経済の持続的成長と安定的な資産形成等による国民の厚生の増大がもたらされること。」この目的実現のために、金融業界は大きな変化を求められているのです。変化を先取りした金融機関は生き残り、旧態依然とした対応の金融機関は淘汰されることを示唆しています。

 従来の金融機関のあり方

  地元の金融機関は、担保と保証と金利ばかり気にして、地元事業者の事業内容を真剣に見ようとしなくなっていた現実が浮かび上がってきました。

  一つは、バブル崩壊によって不良債権が顕在化し、不良債権を生み出さないための銀行経営として「金融検査マニュアル」の厳格な対応を求められたのです。この結果、金融検査マニュアルに合格することが目的化され、地元事業者の育成は全く無視されてしまったのです。

  もう一つは、金融危機を脱出するため信用保証制度が拡充され、金融機関は100%保証が可能となったため、ノーリスクで融資を行えるようになり、金融機関の本業であるプロパー融資が激減した結果、金融機関の根本である「目利き」の能力が極端に低下してしまったのです。この結果、本業である貸し出し収益が低迷し、国債や高リスク債権などの有価証券運用に傾き、リスクを蓄積し、マイナス金利政策で業績はますます悪化しているのが現状です。

 これからの金融機関のあり方・・・事業性評価ヘの質的転換  

これまで担保・保証・金利の財務内容だけで判断してきた融資を、事業性評価という新しい判断基準で実施することになりました。

  事業性評価とは、企業の事業内容や将来性を見極めて顧客の課題を解決する手法で、製品サービス、顧客基盤力、営業力、生産力、技術力、組織管理力等を重視した融資やコンサルタント機能を発揮し、取引先企業の成長を促すことによって共存共栄を図る方法です。 積極的に事業性評価を実施しない地域金融機関は、強制的に市場から撤退を余儀なくされるため、今後は地元企業のための事業性評価を行わざるを得ない環境が整ってきたと言えます。まさに、中小・零細企業にとって最も頼りになる地元金融機関の誕生となるでしょう。経営者にしてもこの環境を積極的に活用すべきであり、手を拱いていてはチャンスを逸します。活用するかどうかは経営者の判断一つです。待っていては、変化は起きません。条件は活用すべきものです。

 金融庁が金融機関に行った事業性評価の実態調査5項目  

①金融機関がメインバンクとして取引している企業の内、経営改善が見られた件数及び 過去3年間の融資額

②金融機関が条件緩和を行った経営改善計画の進捗及び件数

③金融機関が関与した創業・第二創業の件数  

④取引先企業の廃業・転業の件数

⑤中小企業融資の内未保全与信先及び未保全与信率

これによって、金融機関の優劣が確定してしまいます。金融機関の足下が揺らいできたのです。

テーマ: 経営