金井税務会計事務所

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相続税軽減のための生前贈与に注意

火曜日, 10月 20, 2015

  既にご案内のとおり、平成27年1月から相続税の基礎控除が4割カットされたため、相続税の申告者が倍増しているようです。そのため相続税を少しでも安くしたいと考え、生前贈与が盛んに行われていることはマスコミ等の報道でご存知のとおりです。

  生前贈与の内、手軽に贈与が可能な現預金と有価証券で約5割を占めていますが、手軽さゆえにミスが多く、税務調査の事実認定により後日贈与の事実が否認されるケースが発生しますので、贈与するには慎重に対応して下さい。

  さて、民法上の贈与の定義は「贈与は当事者の一方が、自己の財産を無償で相手方に与える意志を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力が生ずる」と規定されています。口答での贈与であっても契約は成立しますが、税法では事実認定によって判断されますから、事実認定を明らかにするために、以下の項目について最低限の行為が不可欠となります。

 ①贈与の事実を証するため、必ず贈与契約書を作成する。

 ②通年贈与で、基礎控除を越える場合は贈与税の申告を行う。

  以上は、普通に行っているケースであり特に問題はありません。しかし、最近の判例では預貯金の帰属について事実認定が行われ、贈与が否認されて相続財産と見なされるため多額の相続税が課されています。そのため、下記の項目について再検討が必要です。  

 裁判所の事実認定では、次のように判断されています。 預貯金の帰属については、名義人が誰であるかという形式的事実のみならず、当該財産を誰が出したのか、使用する印鑑や管理状況はどうなっているか等について贈与事実の有無を具体的事実に基づいて総合的に判断することが相当である。そして、親が印鑑を一括管理していたり、印鑑の使用状況がどうなっていたか、子供が贈与の事実を知らなかったり、贈与された預貯金が全く利用されなかったり、子供の住所変更や改姓の手続きも行っていなかった場合には、管理、運営及び払い戻しについては親の判断で行っていたと見なされ、実質的な相続財産として認定されました。

  税法の基本は事実認定が原則ですから、贈与契約書を作ったから、贈与税の申告をしたから安心というわけには行きません。あくまでも事実がどうであったかによって判断されますから、生前贈与には充分な注意が必要です。

テーマ: 税務