自分の大切な財産を100年先にも想いを残せる方法をご存知ですか?
表題について、『信託法』が今日の時代に合わせ80年ぶりに大改正された結果、可能となりました。 相続が発生した場合は、民法の相続編に従って行われ、遺産総額が相続税の基礎控除額(3千万円+1人当600万円)を越える場合に、相続税の納税義務が発生することになっています。
民法では、自分の財産を誰に相続させるかを決める範囲は、原則として配偶者と子ども達です。次の代以降のコントロールは、不可能です。 そこで、大切な財産を本人の希望や家族の思いに沿って何代にもわたって管理・承継させる法律が『信託法』であり、その中でも『民事信託』が中心となります。
信託という言葉を聞くと第一に思い浮かべることは、信託銀行とか投資信託ではないでしょうか。言葉は知っているが、実際に利用している人は限られています。『信託法』では、商事信託と民事信託に分類され、営利を目的に行われるのが商事信託で、営利を目的としない信託が民事信託であり、『個人信託』、『福祉信託』、『家族信託」が該当します。
信託の基礎知識として
信託とは、信じて託するという意味です。
1.自分(委託者)の財産(現金・不動産・有価証券等)を
2.信頼できる人(受託者)に託し
3.特定の人(受益者)の為に
4.予め定めた目的に従って、管理・処分をしてもらう財産管理・財産継承
信託とは、財産を託する人「委託者」、託された人のこと「受託者」、託された財産から利益を受ける人 「受益者」の三者によって成立する仕組みのことです。
具体的な応用例として
1.親が高齢で認知症になった場合、財産を動かすことは困難となり、相続税対策が困難となる場合。
2.相続人間で争族が予見され、遺産分割が円滑に行われない場合。
3.共有不動産は後々トラブルの原因となります。共有状態を解消したい場合。
4.長男の妻に財産を残したくない場合。
5.何代にもわたって財産を残したい者を指定したい場合(跡継ぎ遺贈型受益者連続信託)
6.身障者家族に特に厚く財産を残したい場合。
7.事業承継問題で、経営者が若年で心配の場合、議決権の行使を指図できる「指図権」を持つことで経営権を行使できる場合。
大改正された民事信託法は、身近な法律でありながら認知度は今ひとつです。これを有効活用することによって、未然にトラブルを解決することは、今を生きる私達ではないでしょうか。
テーマ: 税務