金井税務会計事務所

Kanai Tax Accounting Office

  1. ホーム  >
  2. 事務所通信  >
  3. 最近の記事  >

« 税務情報29.5月 | Main | ここまで来たか政府の補助金政策 »

フィディーシャリー・デューティとは何か

金曜日, 5月 19, 2017

最近話題になっている「フィデューシャリー・デューティ」とは、何でしょう。 近頃カタカナ言葉が氾濫して、一見しては意味が分からないものが多すぎます。

  この「フィデューシャリー・デューティ」とは、「受託者責任」と訳される概念で資産運用を受託した者が元々の資産保有者、つまり『資産運用を委託した者に対して追う責任を言う』と説明されています。運用会社などの金融機関は、資産を預けた人の利益を最大化する事に努めるのが義務で、『利益に反するような行動は取ってはならない』とされています。この考え方が実行されると、金融機関のあり方を根幹から揺さぶる起爆剤となるからです。   金融機関は低金利時代に突入後、利益の確保のため「受託者責任」を無視して、なりふり構わず強引な手法で利益相反を繰り返していた実態が明らかになりました。

  最近では、相続税法の改正により基礎控除額が4割りカットされた関係で納税者が倍増した時代背景を上手く利用し、節税対策として賃貸アパート向けの融資を活発に行うようになりました。

  この際、金融機関は顧客を建設業者に紹介する見返りに紹介手数料を受け取っていたのです。紹介料は最大3%にもなり、請負額が増えるほど金融機関に利益が還元される仕組みです。建築費を低く抑えたい顧客との間で利益相反が生じる懸念があり、金融庁は顧客本位の原則に沿って是正を強要しています。

  また、金融ビッグバンにより金融機関の窓口で保険商品を扱う事が出来るようになったことはご存知のとおりです。この結果、何が起きてきたのか、金融機関の窓口では委託者の利益を無視して手数料の高い保険商品を積極的に売るようになったのです。実態は営業ノルマによって保険商品、投資信託の販売額が設定され、実行されると保険会社が金融機関に販売手数料を支払う仕組みとなっており、支店の業績を左右するまでになっているのです。当然、保険会社が支払う手数料は、コストとなって保険加入者の負担となり明らかな利益相反となります。

 あまりにも顧客を無視した実態を重視した金融庁は、本年3月30日「フィデューシャリー・デューティ」を発表し、金融機関の指針とした経緯があります。

 主な内容は、①顧客の最善の利益の追求、②利益相反の適切な管理、③手数料の明確化、④顧客にふさわしいサービスの提供等となっています。

 金融機関の生き残りは、どれだけ顧客に密着できるかで決まる時代が間もなく始まります。中小・零細企業にとって朗報です。

テーマ: 税務