金井税務会計事務所

Kanai Tax Accounting Office

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本物の経営をしていますか

水曜日, 6月 20, 2018

  実務において経営と管理を明確に区分せず、苦労している経営者を見かけます。事業の経営とは内部を管理することではなく、外部に対応することです。言うまでもなく外部とは、お客様であり市場です。お客様の要求にどのように応え、変わっていく市場の要求を見極めて、自社をどうすべきかを社長自ら決定し、これを実践することです。

  お客様は、モノを通して付加価値を求めているという事実を認識すべきです。お客様は商品を購入したり、サービスを購入するのでしょうか。それは、商品やサービスについている付加価値を求めているからです。例えば、高級なワイヤレスヘッドホンを購入するのは、移動が自由で静寂な中で素晴らしい音楽を再現出来ると言う付加価値を求めているからで、ヘッドホンそのものを欲しいわけではありません。大切なお客様は、どこにいるのでしょうか。決して社内にはいません。だから、社長の意識は外部に向けていなければならないのです。付加価値は、全て外部にあるのです。内部にあるのは、コストだけです。

  ところが、外部に背を向けて内部ばかり見ている社長がいます。これでは、業績が上がるはずがありません。中には、内部管理こそが経営の本質であると考えている経営者もたまにいるのです。内部管理型社長の特徴を列挙しますので、参考にして下さい。

  「忙しくてどうにもならない」「どうしてこんなに雑用が多いのだろう」「問題の解決に追いまくられて何も出来ない」「一つの問題を解決すると、もう次の問題が待っている」このようなタイプを問題解決型社長と言います。

  納期遅れに振り回され、生産の遅延対策に頭を突っ込み、不良品の発生原因を探る。対策のないまま、売り上げ不振に発破をかけ、利益率低下に悩み、在庫増大にトンチンカンな指令を出し、そして資金繰りに追われる。

  管理職からくだらない相談を持ちかけられるだけではなく、いつも人員不足と人材不足の言い訳を聞かされ、管理職の悩みの肩代わりをさせられる。その合間に、電話の対応と来客の相手を務めさせられる。膨大な書類に目を通す暇もない、その書類の整理など思いも及ぶはずがない。終日、悪戦苦闘で気がついたら日が暮れていた。

 そのうち、役員は経営者としての自覚が足りないとか、管理職は一人として満足な仕事が出来る人がいないとか、部下に対する批判や不満を人一倍持っている。

  事業の経営とは、我が社の製品・商品・サービスを通してどのような付加価値をお客様に提供できるかを追求することです。どのような付加価値を提供するのか、根本命題が「経営理念」なのです。

テーマ: 経営

松野恵介の「売り方の真髄」について

火曜日, 3月 20, 2018

  マーケティング・コンサルタントの松野恵介氏の「売り方の真髄」という著書があります。この本はマーケティングを通して、実は経営の本質を追究している好著です。その概要を説明しますので、参考にして下さい。

  『先ず、モノを売るより、思いを売ることを考えよ。』『商品より先に自分を売れ。』と言っています。なんだ、そんなことは当たり前で誰でも知っているよ。と言いたいでしょう。自信を持って実行している貴社の業績は、好調のはずです。もし、業績が思うように行かない場合は、次のことを考えて見ましょう。多くの事例では、「お客様第一主義」を掲げて経営をしています。しかし、いつの間にかお客様の要求から遠ざかり「我が社第一主義」に陥っていないでしょうか。

  お客様はモノを通して、別のモノを買っているのです。それに気付いているかどうか、これが根本的に大きな問題なのです。先進国の中で、デフレ経済に苦しんでいる国は日本だけです。モノが溢れ、モノ売りの時代はとっくに終わっています。

  何故、お客様は商品を購入したり、サービスを購入するのか。実は、商品やサービスについている付加価値を求めているからです。例えば、高級な音響機器を購入するのは、臨場感溢れる生演奏の再現を求めているのであり、決して音響機器そのものが欲しいわけではないのです。身近なものとして、車ならどうでしょう。決して車そのものが欲しいわけではなく、。車を所有することによって、快適な空間を独占でき、何時でも何処にでも移動が簡単で、しかも安心・安全でコストパフォーマンスの良いものをそれぞれの価値観に併せています。中には、ステータスを満足させるため外車や高級車を購入するのです。

  だから、どんな付加価値を求めて商品やサービスを購入するかを徹底的に追求することがビジネスの真髄であることに気付きましょう。その為には、お客様に我が社の思いを伝える努力が不可欠です。その思いとは「経営理念」です。 お客様に興味を持ってもらう。お客様に「ありがとう」と言ってもらえる。商品が売れて業績が上がる。 売りたいという思想は、時代遅れです。どれだけ商品やサービスの持っている付加価値を、理解してもらうかにかかっています。我が社のお客様に提供できる付加価値は、何でしょうか。

テーマ: 経営

共謀罪の落とし穴

金曜日, 10月 20, 2017

いわゆる「共謀罪」とは旧名称であり、正式名称では「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」、略称では「テロ等準備罪」となります。  

処罰の対象となるその該当条件とは、

①組織的犯罪集団に所属しその活動をしたとき

②2人以上で対象の罪を犯したとき

③その計画した者らが、計画に基づき「資金の準備」「現場の下見」等の犯罪実行のための準備行為が行われたとき

  これらの条件が満たされたときに、犯罪が成立します。この文書だけでは、普通に生活していれば問題ないと考えられていますがどうでしょうか。ここで、『2人以上で対象の罪を犯し』とありますが対象の罪は限定列挙されて、その数は277種類となっています。この277種類の罪の中に、企業の経営に直接影響する税法や会社法が列挙されているのです。   

1.消費税法 偽りその他不正の行為による消費税の免脱等

2.法人税法 偽りその他不正の行為による法人税の免脱等

3.所得税法 偽りその他不正の行為による所得税の免脱等

4.相続税法 偽りその他不正の行為による相続税の免脱等

5.地方税法 偽りその他不正の行為による地方税の免脱等

6.会社法  会社財産を危うくする行為、虚偽文書行為等

  これらの行為は、税法で規制や厳しい罰則が定められているにもかかわらず「テロ等準備罪」が新たに成立してしまう危険性があるのです。節税と脱税は、紙一重です。合法的に行うのが節税。非合法で行うのが脱税。節税は、納税者の権利ですから日常茶飯事に行われる行為です。納税者の権利として行われる節税相談が、脱税相談と判断されたらどうなるのでしょう。

  その判断は、あくまでも捜査機関の権限で行いますので、今後は、捜査機関の判断に対して訴訟が激増し、強いては自由な経済活動に悪影響が出ることを危惧します。税法では脱税犯に対する罰則規定は厳しく、重加算税や国税犯則取締法によって脱税犯に歯止めを掛けています。その上更に、「テロ等準備罪」を課すことに理論的整合性を持って、国民を納得させることが出来るのか。過度な締め付けは、やがて国民からの信頼を失うことになりはしないか。内閣支持率が急落している一因になっていないのか。「テロ等準備罪」は、スパイ天国と言われている日本には必要であり、国家間のテロ等の情報交換には不可欠であることは充分認識しているが、税法や会社法まで対象にすることには将来に禍根を残すことになるのではないでしょうか。

テーマ: 経営

120年ぶりに民法(債権法)が改正されました

水曜日, 9月 20, 2017

  民法の改正法案が平成29年5月26日に成立し、同年6月2日に公布されました。明治29年に制定された民法が改正されるのは、実に120年ぶりで、改正法の施行日は3年以内とされています。   その内容は、民法の中の「債権法」でいわば『契約ルールを中心とする法律』であり、日常生活や企業活動にとって重要なことといえます。経済活動に係わりが深い定型約款、消滅時効、法定利率、保証債務、債権譲渡の5項目について概要を説明します。

①定型約款

  定型約款は、事業者によって予め作成される契約書でその内容に合意があったとみなされます。(例、預金規定、保険約款、公共料金等)この約款をルール化したのが、今回の改正です。   相手が不特定多数となるため、作成者が有利にならないような内容であり合理的な取引であること。また、社会通念上、相手方の利益を害するような場合には、合意がなかったとして除外されることになります。

②消滅時効

  従来は取引内容によって、時効成立の年限が異なり複雑であったものを一部を除き5年と10年に統一し簡略化しました。権利を行使できることを知った時から5年、権利を行使できる時から10年となります。 (但し、人命・身体の場合は20年)

③法定利率

 従来年率5%(商取引の場合は6%)の利息が、新民法では年率3%、以後3年毎に見直しとなり固定制から変動制となります。

④保証債務

  個人根保証契約における保証人の保護が中心で、保証人が負う債務の上限額の明示がない場合は無効となります。また、保証人対して債務者の資産状況等の情報提供を義務づけました。

⑤債権譲渡

  債権譲渡とは、債権者が誰か(譲受人)に債権を譲渡することです。債権は原則として自由に譲渡することが可能ですが、現行民法では弱い立場を保護するために、債権者と債務者の間で債権譲渡を禁止することも可能でした。一方では、債権者にとってはこの特約により債権譲渡という資金調達手段が取れず資金繰りに苦慮していました。   今回の改正では、債権譲渡禁止が緩やかになったため、逆に債務者が不利になる可能性があります。そのため、譲渡制限特約付きの債権が譲渡された場合、債権に相当する金銭を供託することによって債務から免れる制度が出来ました。

※施行されるまで猶予がありますが、概要だけは理解し今後の経営に活かして下さい。

テーマ: 経営

ここまで来たか政府の補助金政策

火曜日, 6月 20, 2017

 政府は、デフレ経済を脱却する為には中小・零細企業の成長が不可欠であるという認識で、従来から各種の補助金政策を実施してきました。

  しかし、対象者が限定され一定の効果はあったものの、全体的な中小・零細企業の底上げには至っていないという現実から、遂に本年5月10日「早期経営改善計画策定支援」政策を発表しました。

  この制度は、認定支援機関たる専門家の支援を受けて中小・零細企業で経営計画を策定し、計画に係る費用の3分の2(最高限度額20万円)を政府が補助する制度です。経営者であれば、「我が社の現状はどうなっているのか」「これからどのようにしたいか」という考えは当然持っているはずです。この考え方を簡潔に文章化し、具体的な数値にするだけです。中小・零細企業の育成のために、ここまで行うのは珍しいことです。これまでの制度と違い使い勝手が良いので、積極的な利用をお勧めします。

  また、経営の見直しによる課題の発見や分析が可能となり、利益計画や資金計画の把握が容易になります。この計画書の提出は、金融機関となっていますから我が社の将来像について理解して貰うチャンスともなります。従来の補助金制度は、公的機関への提出のため数々の制約がありましたが、今回の制度は金融機関への提出のみです。

 具体的な提出書類は、以下の書類です。

  ①ビジネスモデル俯瞰図  

  ②資金実績・計画表  

  ③損益計画  

  ④早期経営改善計画実施にかかるアクションプラン  

  ⑤その他利用申請・支払申請モニタリング

   これらの書類は、経営者として日頃念頭にあることばかりです。実行するに当たり費用がかかっても、3分の2(最高限度額20万円)までは補助金の対象となるのです。   当事務所は、「経営革新等支援機関」の認定を受けておりますので、提出書類作成のお手伝いが可能です。これを機会に我が社の現状とこれからの見通しについて再確認しようではありませんか。

テーマ: 経営

銀行取引の基礎知識

月曜日, 2月 20, 2017

  『銀行は我が社のビジネスパートナーである。』と言う認識で、上手に活用しましょう。その為には、銀行の本音を知る事が大切です。以下に、主要項目について説明します。

①お金の使い道を報告しない経営者は、信頼されない  

 融資を受けるときには「お願いします」と頭を下げますが、その後、お金の使い道を報告する のが義務なのに、報告を怠っているケース。

②抵当権と根抵当権の区別が出来ない経営者は注意が必要  

 抵当権は返済が終了すると解除されますが、根抵当権は返済が終了しても解除されず、根抵当 権のデメリットを認識していないケース。

③個人保証の解除は可能  

  「経営者保証に関するガイドライン」の制定で、個人保証を外すことが出来るようになりましたが、現実は厳しいようです。そこで、経営者の事業に対する覚悟を示すことによって解除が出来  るケースが発生しています。

④無担保・無保証で融資を受ける方法  

 経営計画書・経営計画発表会・定期的銀行訪問の三点セットを提出して「透明性」を高めることによって融資が可能となります。

⑤支店長が来社する意味を知っていますか  

  支店長は何の目的もなく来社はしません。それは、「定性情報」を確認するためです。「定性情報」とは、数字では理解出来ない規律・挨拶・整理整頓・明るい雰囲気などを確認するためです。

⑥目先の金利よりも、借りられる「額」に目を向ける  

  金利が勿体ないと考えている会社は、成長しないと著者は言います。金利云々よりも、借入金を増やして資金を豊富に持っていれば、絶対に倒産しないからです。

⑦定期預金は一本にまとめず、時期を分けて何本かに分ける  

 資金が必要で定期預金を担保に出す場合、借入金に応じた定期で賄える。

⑧頭取や理事長の来社する企業は倒産させない  

 いわゆる頭取銘柄と言われる暗黙のルールがあります。

⑨「一行主義」は危険、各行からバランス良く借りる  

 都市銀行、地方銀行、信用金庫、政府系金融機関、会社の規模により最低3行が安全対策として必要。メインバンクの依存度は60%以内

⑩銀行は「数字で話せる経営者」を評価する  

  経営計画がない、P/LやB/Sが分かっていない経営者を信用せず、担保や保証人を要求します。折角貸せたお金が返ってくるか、不安になるからです。だから、「数字のことは知りません。」は  禁句となります。

以上は、小山昇氏の著書『99%の社長が知らない銀行とお金の話し』の抜粋です。

テーマ: 経営

事業の定義づけについて

火曜日, 12月 20, 2016

 我が社の経営理念の確立に向けて、日々ご検討中とご推察申し上げます。

  経営理念は一発で完成すると言うことは無理な話で、何回も推敲して出来上がるものです。経営理念の作成に迷いが生じた場合、側面から支援する方法がございます。それが「事業の定義づけ」です。

  「事業の定義づけ」などあまり考えたことがないと言う経営者が多数おりますが、これが盲点となっているケースが多いのです。定義づけが明確になると、経営理念が確定し、経営理念が確定すると自ずからそれを達成するための戦術が明確になってきます。

  企業における「定義」とは、我が社の業務を言葉で明確に規定することを言います。我が社は一体何をする事業体なのか。原点に返って明確化しましょう。事業というものは、それぞれ何らかのお客様サービスを行っています。そのサービスの本質を明確に表現したものが、「事業の定義」となります。定義付けを行うことによって、サービスの質が向上し、事業の幅が広く、深みが増してきます。 出来上がった定義で、我が社の事業をチェックしてみて下さい。それは、定義の意味するほんの一部であることに気付くことでしょう。

  例えば、当事務所の定義と経営理念は、「安全経営のお手伝い」です。このように定義づけすることによって、税務・会計だけではなく、業務が経営全般に広がることによって、理念の実現が可能となってきます。

 各業種で考えてみると、

 ①工務店、各専門工事業、事務用品等の販売業であれば、「事業施設の総合サービス業」

 ②食品関連事業では、「食の安全と健康推進業」 

 ③薬局関係では、「安全・安心の健康管理業」

と定義することによって、事業範囲は拡大します。その中から、我が社に最適な経営理念を創り上げるのです。こうすれば事業の安定成長は、確実なものとなります。それは何故か?  殆どの経営者が実行していないからです。  

テーマ: 経営

新しく生まれ変わった事業性評価融資の概要について

木曜日, 10月 20, 2016

  事務所通信9月号でもお伝えしましたが、森金融庁長官の誕生で金融行政が劇的に変化し、中小・零細企業には対応次第で強い味方となります。このチャンスを掴むため、改めて概要をお伝えします。

従来の金融機関のあり方の反省

  地元の金融機関は、融資の際に財務諸表(決算書)分析に重点を置き、担保・保証・金利を決定していた事実がアンケート調査によって浮かび上がってきました。財務諸表分析は、過去の数字を分析するもので、将来に対する見通しは殆ど行っていませんでした。

  また、バブル崩壊後、「金融検査マニュアル」の厳格な対応が求められた結果、金融検査マニュアルに合格することが目的化されて、地元企業の育成は全く無視されてしまっていたのです。  

  この間、金融危機を脱出するため信用保証制度が拡充されて、金融機関は100%保証が可能となりノーリスクでの融資が当たり前となってしまったのです。この結果、金融機関の本業であるプロパー融資が激減し、いわゆる「目利き」の能力が極端に低下してしまいました。

  このため、本業である貸し出し収益が低迷し、国債や高リスク債権などの有価証券運用に傾き、リスクを蓄積し、マイナス金利政策で業績はさらに悪化しているのが現状です。

  さらに、ノーリスク融資が当たり前になった関係で、本業であるプロパー融資が激減した結果、短期借入金制度が崩壊し、中小・零細企業の生命線である運転資金が枯渇し、経営の足を引っ張る結果となってしまったのです。かつて短期借入金制度は、利息を払うだけで運転資金が利用出来、自己資本的な安定資金として活用できたのです。

  ところが、金融機関によっては短期借入金の欠点を利用して、金曜日の午後3時過ぎになって突然融資ストップの連絡が入り、倒産させたケースが散見され、経営者は自己防衛のため、契約で保証されている長期借入金にシフトする傾向となり、ますます運転資金が減少するという悪循環が始まってしまったのです。

 この欠陥を是正するため、金融庁は運転資金を確保するためプロパー融資を積極的に薦めているのです。

事業性評価融資への質的転換

  これまで過去の決算書を中心にして定量分析を行い、担保・保証・金利を決定してきた融資方法を定性分析に重点をおいた融資に質的転換を図る方法が主流になりつつあります。

  定性分析とは、数字に表しにくい重要項目である企業の事業内容や将来性について新しい判断基準に基づいて分析を行う手法です。具体的には取扱商品の特徴、サービス方法の特徴、顧客力、営業力、生産力、技術力、組織管理力、社員力、経営者能力、SWOT分析力、経営理念の有無等々を対象とします。

 より理解を深めるために、リンゴの木を例題に説明します。

  リンゴの果実は、今日までの努力が実った結果です。これは企業の決算書(定量分析)に該当します。今年は、密度の濃い良質なリンゴが大量に収穫できて豊作だった。でも、収穫できた瞬間から過去の数字となってしまいます。これを分析して融資を決定するのが、従来の方法でした。

  実は、良質のリンゴが収穫できたのは、強い幹を育てた「根」があってこそなのです。将来のリンゴを収穫できるのは、根っこである商品力、サービス力、顧客力、営業力、生産力、技術力、組織力、社員力、経営者能力、SWOT分析力、経営理念の有無によって決定します。

  しかし、これらの項目は数字では表すことが出来ません。これを定性分析と言い、金融機関が敬遠してきた項目なのです。ここに徹底的な焦点を当てることにより、より深度の高い「目利き」を活用し、中小・零細企業のためになる本物の金融機関の誕生となるのです。金融機関にとってきつい課題となりますが、これ以外に生き延びる道はありません。

奇跡のリンゴの教訓  

ご存知、木村秋則氏の死闘のりんご園経営体験談は本になり映画になり、自然農法の先駆者としても活躍しています。   リンゴ栽培は、農薬と化学肥料がないと不可能であると言う常識をひっくり返したものです。直接の原因は、妻の体質が農薬と化学肥料に合わないので、どうしたら無農薬農法が出来るかという思いがスタートで、苦節7年、「根」を強くすれば立派な果実が出来ることを発見。「根」を強くするためには「微生物」を活用することによって腐葉土を再発酵させ、すき込みを行えば「根」は4倍の根っこを張り、雑草や害虫に負けない強い幹が出来、結果として良質な収穫が出来、腐らないリンゴとして有名なったのです。一般のリンゴの木の根の長さは7メートル程度に対し木村さんのリンゴの木の根は20メートルに程度に達し、自分で栄養が摂れるように変化したのです。

 蛇足   今日、松食い虫が全国的に蔓延し、至る所で松枯れ現象が起きています。原因は農薬散布によって松の生命力が弱ったため、松ヤニの生産力が減少したためと言われています。松ヤニが豊富に出ると、松食い虫は死滅してしまうようです。「根」を強くする方法を考えれば、一件落着かも知れません。答えは意外と身近にあるものです。

 我が社の根を、もっと強くする方法を考えましょう。従来から事務所で提唱している「理念型経営」は、この根っこに当たるものです。

テーマ: 経営

様変わりする地方金融機関

火曜日, 9月 20, 2016

中小企業にとって強い味方になるか。

 金融庁の行政指導が、森金融庁長官の誕生で劇的に変わろうとしています。

  それは、「金融行政の目的」を明確に打ち出したことです。その目的とは「企業・経済の持続的成長と安定的な資産形成等による国民の厚生の増大がもたらされること。」この目的実現のために、金融業界は大きな変化を求められているのです。変化を先取りした金融機関は生き残り、旧態依然とした対応の金融機関は淘汰されることを示唆しています。

 従来の金融機関のあり方

  地元の金融機関は、担保と保証と金利ばかり気にして、地元事業者の事業内容を真剣に見ようとしなくなっていた現実が浮かび上がってきました。

  一つは、バブル崩壊によって不良債権が顕在化し、不良債権を生み出さないための銀行経営として「金融検査マニュアル」の厳格な対応を求められたのです。この結果、金融検査マニュアルに合格することが目的化され、地元事業者の育成は全く無視されてしまったのです。

  もう一つは、金融危機を脱出するため信用保証制度が拡充され、金融機関は100%保証が可能となったため、ノーリスクで融資を行えるようになり、金融機関の本業であるプロパー融資が激減した結果、金融機関の根本である「目利き」の能力が極端に低下してしまったのです。この結果、本業である貸し出し収益が低迷し、国債や高リスク債権などの有価証券運用に傾き、リスクを蓄積し、マイナス金利政策で業績はますます悪化しているのが現状です。

 これからの金融機関のあり方・・・事業性評価ヘの質的転換  

これまで担保・保証・金利の財務内容だけで判断してきた融資を、事業性評価という新しい判断基準で実施することになりました。

  事業性評価とは、企業の事業内容や将来性を見極めて顧客の課題を解決する手法で、製品サービス、顧客基盤力、営業力、生産力、技術力、組織管理力等を重視した融資やコンサルタント機能を発揮し、取引先企業の成長を促すことによって共存共栄を図る方法です。 積極的に事業性評価を実施しない地域金融機関は、強制的に市場から撤退を余儀なくされるため、今後は地元企業のための事業性評価を行わざるを得ない環境が整ってきたと言えます。まさに、中小・零細企業にとって最も頼りになる地元金融機関の誕生となるでしょう。経営者にしてもこの環境を積極的に活用すべきであり、手を拱いていてはチャンスを逸します。活用するかどうかは経営者の判断一つです。待っていては、変化は起きません。条件は活用すべきものです。

 金融庁が金融機関に行った事業性評価の実態調査5項目  

①金融機関がメインバンクとして取引している企業の内、経営改善が見られた件数及び 過去3年間の融資額

②金融機関が条件緩和を行った経営改善計画の進捗及び件数

③金融機関が関与した創業・第二創業の件数  

④取引先企業の廃業・転業の件数

⑤中小企業融資の内未保全与信先及び未保全与信率

これによって、金融機関の優劣が確定してしまいます。金融機関の足下が揺らいできたのです。

テーマ: 経営

ローカルベンチマークを活用して我が社の安全経営を実現しましょう。

金曜日, 8月 19, 2016

  政府は、アベノミクスを加速化してデフレから完全脱却し、さらに日本経済を成長させていくために経済対策事業費を28兆円以上とすることに決定しました。特に、「中小企業をしっかり支えていく必要がある」として、中小企業・小規模企業対策が不可欠であるとして、積極的な対策を始めました。

  現在、我が国の企業数は大企業1万1千社、中小企業380万9千社(この内小規模事業者325万2千社)、99.7%が中小企業となっており、中小企業対策が最大の課題となっています。   そこで政府は、「中小企業等経営強化法」を本年7月から施行し、官民挙げて本格的な支援体制に入りました。この中心になるのが、ローカルベンチマークの積極的活用なのです。

  ローカルベンチマークとは、経済産業省が作成した「簡易型企業診断表」(当事務所で、毎期提供している金融機関格付け表のようなものです。)を作成することで、地域企業の経営課題の把握や分析、金融機関や支援機関との対話のためのツールであり、我が社の経営改善や成長力強化のための具体的な手法を見つけ出す手段を言います。いわゆる、安全経営のための気付きを発見する方法です。

  ローカルベンチマークに基づいて認定事業者になれば、認定計画に基づき生産性を高めるための機械装置を取得した場合、固定資産税が3年間半額に軽減、必要資金の支援などを受けることが出来ます。

  政府が本格的に支援体制に入った今、これを有効活用することで安全経営確立のチャンスとして利用すべきではないでしょうか。今後、金融機関や各種の関連事業体等が積極的に行動してくると思われます。

  当事務所の経営理念は、「安全経営のお手伝い」です。この実現に向かって以前から「理念型経営の実践」を推奨し、既に経営革新等支援機関の認定を受けて、皆様のお役に立てるよう体制を整えております。

 これを機会に、挑戦しようではありませんか。具体的な対応については、担当者までご連絡下さい。

テーマ: 経営