金井税務会計事務所

Kanai Tax Accounting Office

  1. ホーム  >
  2. 事務所通信  >

相続関連の民法が改正されました

月曜日, 8月 20, 2018

 相続に関連した民法が改正され、2018年7月13日に交付されました。高齢化社会に対応した見直しに重点が置かれ、概要は以下の通りです。

 1.配偶者居住権の創設

   住宅の権利を「所有権」と「居住権」に分割し、配偶者は居住権を取得すれば、所有権が別の相続人や第三者に渡っても自宅に住み続けることが出来るようになりました。また、配偶者が遺産分割の対象となる建物に住んでいる場合、遺産分割が終了するまでは無償で住めるよう「配偶者短期居住権」も創設されました。(施行予定日2020年7月13日)

 2.婚姻20年以上の夫婦の優遇策の制定

   配偶者が生前贈与や遺言で譲り受けた住居は、「遺産と見なさない」という意思表示があったと見なして遺産分割の計算対象から除外します。これによって他の財産の配分が増え、老後生活の安定に繋がります。(施行予定日2020年7月13日)

 3.自筆遺言方式の緩和

   従来、自筆遺言証書は「全文を自署」することが成立時要件でした。高齢化による誤字等のトラブルの解除と負担軽減を図るため、一部をパソコンで作成することが出来るようになります。(施行予定日2019年1月13日)

 4.相続人以外の者の貢献に報いるための施策(特別の寄与)

   相続権のない親族や血族と3親等(姪・甥)以内の配偶者が介護などで尽力した場合、相続人に金銭を請求できる制度です。(施行予定日2019年1月13日)

 5.仮払制度の創設  

  現状では、故人の預金は遺産分割協議書が成立するまでは口座の凍結が行われ、遺族が大変苦労していました。今回、生活費の確保や葬儀費用の支払いについて「仮払制度」が創設されトラブル解消になります。(施行予定日2019年1月13日)

 6.法務局における遺言書の保管等に関する法律の成立

   法務局で自筆遺言書の保管が可能となり、遺言書の紛失、隠匿等の防止、遺言書の存在の把握が容易となり、裁判所による「検認」手続きが不要となりました。  (施行予定日2019年1月13日) 

テーマ: 税務

税と司法取引

金曜日, 7月 20, 2018

  最近、税に関する取扱規程が厳しくなったことは、事務所通信特別版「税に関する罰則規定の改訂について」で指摘したとおりですが、今回も新たな法律が6月1日から施行されることになりました。

それは、「司法取引制度」です。正式名称は「証拠収集等への協力及び追訴に関する合意制度」と言います。

  国税犯則法が廃止され、「国税通則法」へ編入されたことは、課税強化を狙ったものと言われています。また、いわゆる共謀罪の対象に税法が入ったことで、税務調査の前に司法警察の介入が法的に可能となり税務行政に混乱が生じる恐れが出て参りました。

  さて、「司法取引」とは、一定の犯罪に対して、被疑者・被告人と検察官との間で、弁護人の同意がある事を条件として、被疑者・被告人が他人の刑事事件の解明に協力するのと引き替えに、検察官が被疑者・被告人の事件について有利な取り扱い(処分の軽減等)をすることなどを合意する制度です。

  即ち、共犯者の犯罪を明らかにする見返りに、容疑者や被告の刑事処分を軽くする取引で、従来の日本にはなかった制度で、今後の捜査・公判に大きな転換点を迎えます。犯罪の対象は法律で列挙されていますが、政令で定める財政経済犯罪の中に税法や会社法が含まれていることです。

  ここで重大なことは、自分の罪を免れ、あるいは軽減してもらう目的で行われる「虚偽供述」によって、無実の人間の「引き込み」が起きる可能性が極めて高いことです。

  例えば、会社ぐるみの脱税事件で逮捕された経理担当者が「脱税は社長の指示だった」と供述し、社長が起訴される一方で、本人は起訴を免れるケースも起こりえるのです。   司法取引の導入は、先に述べたように虚偽供述などによる冤罪が増えます。もし、社内や取引先などで犯罪が行われた時には会社として司法取引に応じるかどうか対策を考える必要があります。

  その為には、内部監査の厳格化、不正行為に対する報告義務の実践、機密情報漏洩の厳禁と罰則規定の強化、社内における安易なトップシークレット話題の提供等。

  経営者の自覚として、これまで以上に租税犯罪の撲滅や早期発見に向けて、上記の対策を実行し、我が社の防衛に尽力して下さい。いずれにしても「税」に対する環境が急変している現実を理解して、企業経営に勇往邁進して頂きたく念じ上げます。

テーマ: 税務

税務情報30.6月

水曜日, 6月 20, 2018

各市町村の取り組みにより、平成30年度より従業員の個人住民税について普通徴収の対象者以外は特別徴収されることになっています。そのため、多くの事業主宛に住民税の税額決定通知書が郵送されていると思います。   6月分の給料より控除し、事業主が期日までに納付することになります。また、7月分から住民税が変更になる場合もありますので該当する場合はご注意下さい。

テーマ:

本物の経営をしていますか

水曜日, 6月 20, 2018

  実務において経営と管理を明確に区分せず、苦労している経営者を見かけます。事業の経営とは内部を管理することではなく、外部に対応することです。言うまでもなく外部とは、お客様であり市場です。お客様の要求にどのように応え、変わっていく市場の要求を見極めて、自社をどうすべきかを社長自ら決定し、これを実践することです。

  お客様は、モノを通して付加価値を求めているという事実を認識すべきです。お客様は商品を購入したり、サービスを購入するのでしょうか。それは、商品やサービスについている付加価値を求めているからです。例えば、高級なワイヤレスヘッドホンを購入するのは、移動が自由で静寂な中で素晴らしい音楽を再現出来ると言う付加価値を求めているからで、ヘッドホンそのものを欲しいわけではありません。大切なお客様は、どこにいるのでしょうか。決して社内にはいません。だから、社長の意識は外部に向けていなければならないのです。付加価値は、全て外部にあるのです。内部にあるのは、コストだけです。

  ところが、外部に背を向けて内部ばかり見ている社長がいます。これでは、業績が上がるはずがありません。中には、内部管理こそが経営の本質であると考えている経営者もたまにいるのです。内部管理型社長の特徴を列挙しますので、参考にして下さい。

  「忙しくてどうにもならない」「どうしてこんなに雑用が多いのだろう」「問題の解決に追いまくられて何も出来ない」「一つの問題を解決すると、もう次の問題が待っている」このようなタイプを問題解決型社長と言います。

  納期遅れに振り回され、生産の遅延対策に頭を突っ込み、不良品の発生原因を探る。対策のないまま、売り上げ不振に発破をかけ、利益率低下に悩み、在庫増大にトンチンカンな指令を出し、そして資金繰りに追われる。

  管理職からくだらない相談を持ちかけられるだけではなく、いつも人員不足と人材不足の言い訳を聞かされ、管理職の悩みの肩代わりをさせられる。その合間に、電話の対応と来客の相手を務めさせられる。膨大な書類に目を通す暇もない、その書類の整理など思いも及ぶはずがない。終日、悪戦苦闘で気がついたら日が暮れていた。

 そのうち、役員は経営者としての自覚が足りないとか、管理職は一人として満足な仕事が出来る人がいないとか、部下に対する批判や不満を人一倍持っている。

  事業の経営とは、我が社の製品・商品・サービスを通してどのような付加価値をお客様に提供できるかを追求することです。どのような付加価値を提供するのか、根本命題が「経営理念」なのです。

テーマ: 経営

松野恵介の「売り方の真髄」について

火曜日, 3月 20, 2018

  マーケティング・コンサルタントの松野恵介氏の「売り方の真髄」という著書があります。この本はマーケティングを通して、実は経営の本質を追究している好著です。その概要を説明しますので、参考にして下さい。

  『先ず、モノを売るより、思いを売ることを考えよ。』『商品より先に自分を売れ。』と言っています。なんだ、そんなことは当たり前で誰でも知っているよ。と言いたいでしょう。自信を持って実行している貴社の業績は、好調のはずです。もし、業績が思うように行かない場合は、次のことを考えて見ましょう。多くの事例では、「お客様第一主義」を掲げて経営をしています。しかし、いつの間にかお客様の要求から遠ざかり「我が社第一主義」に陥っていないでしょうか。

  お客様はモノを通して、別のモノを買っているのです。それに気付いているかどうか、これが根本的に大きな問題なのです。先進国の中で、デフレ経済に苦しんでいる国は日本だけです。モノが溢れ、モノ売りの時代はとっくに終わっています。

  何故、お客様は商品を購入したり、サービスを購入するのか。実は、商品やサービスについている付加価値を求めているからです。例えば、高級な音響機器を購入するのは、臨場感溢れる生演奏の再現を求めているのであり、決して音響機器そのものが欲しいわけではないのです。身近なものとして、車ならどうでしょう。決して車そのものが欲しいわけではなく、。車を所有することによって、快適な空間を独占でき、何時でも何処にでも移動が簡単で、しかも安心・安全でコストパフォーマンスの良いものをそれぞれの価値観に併せています。中には、ステータスを満足させるため外車や高級車を購入するのです。

  だから、どんな付加価値を求めて商品やサービスを購入するかを徹底的に追求することがビジネスの真髄であることに気付きましょう。その為には、お客様に我が社の思いを伝える努力が不可欠です。その思いとは「経営理念」です。 お客様に興味を持ってもらう。お客様に「ありがとう」と言ってもらえる。商品が売れて業績が上がる。 売りたいという思想は、時代遅れです。どれだけ商品やサービスの持っている付加価値を、理解してもらうかにかかっています。我が社のお客様に提供できる付加価値は、何でしょうか。

テーマ: 経営

税務情報30.2月

火曜日, 2月 20, 2018

今年度より、「医療費控除の明細書」の添付が必要となり税務署に提出していた医療費の領収書が不要となりました。それに伴い、事務所より所得税等の確定申告書控えを返却する際に、お預かりした医療費の領収書や源泉徴収票などの資料も一緒に返却させていただきます。  医療費の領収書につきましては、税務署からの領収書の提示等を求められることもあるため、5年間は保存する必要がありますので、大切に保管して下さい。

テーマ: 税務

相続登記が完了していない不動産が急増中です

火曜日, 2月 20, 2018

  相続税の申告は法的義務がありますから問題ありませんが、相続した不動産の登記は法的義務がないため未了となっているケースが増加傾向であると法務省は昨年6月に実態調査を発表しました。これによると最後に登記されてから50年以上変更がなく、所有者が不明と思われる不動産が地方の中小都市や山間地域でなんと26.6%にも達しているようです。   このままでは時の経過に従って問題が複雑になり、次世代以降に多大な迷惑をかけることになります。将来に禍根を残さないように、現役世代の私たちが解決しておくことが、次世代に対する思いやりとなるのではないでしょうか。  そこで、未登記の場合のデメリットを列挙しますので参考にして下さい。

 1.正当な相続人として所有権の主張が出来なくなる

 2.不動産の持ち主が所有権を主張できなければ、相続財産を売却したり賃貸することが不可能となる

  3.遺産分割協議書には相続人全員が署名し実印を押す必要がありますが、時の経過に従って親族の範囲が広がり、面識や交流のない相続人が増え円滑な遺産分割協議書が作成されずに、相続税の軽減措置を使えない場合が発生します。

  4.共有名義の不動産については、その当時は全員が顔見知りで問題が起きなかったから共有したものと思われますが、時の経過に従って血縁関係が薄くなり、トラブルの原因を作ってしまう危険性もあります。共有名義の場合、売買や賃貸が発生した際、共有者全員の同意  が必要となりますので現役時代に解決しておくことも必要でしょう。また、相続未登記の原因として、登記手続きの複雑さがあげられます。相続が発生すると被相続人の戸籍謄本や除籍謄本に加えて、相続人全員の戸籍謄本など膨大な書類を提出する必要がありました。これらを簡潔にするため、平成29年5月から「法定相続情報証明制度」がスタートしました。一度この制度を利用し法務局に届け出ておけば、その後に発生する手続きは証明書のコピーを利用することで完結します。

テーマ: 税務

税務情報30.1月

金曜日, 1月 19, 2018

平成29年分の所得税等の確定申告の受付が、2月16日(金)から開始します。事務所でも早期提出に取り組んで参りますので、準備が出来次第早めに書類をお持ち頂くようご協力をお願いいたします。

 また、セルフメディケーション税制が創設され、医療費控除との選択適用が可能となりましたので対象となりましたら、必要書類の提出をお願いします。   なお、ふるさと納税のワンストップ特例を適用している方が、医療費控除などを受けるために確定申告する場合は、ワンストップ特例の適用を受けていたふるさと納税についての寄附控除も併せて申告する必要がありますので必ず提出して下さい。

テーマ: 税務

政府が薦める税制改革や補助金制度を活用しませんか

金曜日, 1月 19, 2018

 ●日本経済における中小企業の現状

  製造業を営む企業の内、中小企業が占める割合は99.4%、雇用割合では75.1%、流通業では85.0%、雇用割合では8.7%。一人当付加価値では大企業が1,330千円、中小企業が570千円、2倍以上の格差が生まれ、最近その格差が広がる傾向となっています。この現状を踏まえ、政府は日本経済の復活は中小・小規模事業者の生産性向上の為の支援が不可欠と考え「攻めの経営」支援に積極的な行動を取り始めました。

 具体的な法律は「生産性向上実現のための臨時措置法」、「中小企業経営強化税制」、「厚生労働省の助成金の新設」等があります。

 ○経営強化法認定による固定資産税の半額減免や新たに市町村が認定した設備投資の場合の定資産税ゼロ円から半額の減額制度が創設されました。

 ○中小企業経営強化税制による生産性向上設備(生産性1%以上)の即時償却または7%の税額控除が、選択適用出来ます。

 ○収益力強化設備(投資収益力5%)の即時償却または7%の税額控除の適用  

 ○中小企業投資促進税制及び商業・サービス業活性化税制による設備投資の30%特別償却または7%の税額控除が選択適用出来ます。

 ○賃上げを実施した企業に対し、減税制度や事業承継制度への大幅な緩和が行われています。

 ●助成金の支給(厚生労働省)

  新たな設備投資により増加した利益の一部を社員の待遇改善に向けた企業に対し、最低でも1社100万円から200万円の範囲内で助成金の支給が実施されます。

  政府が薦める税制改革や補助金制度を活用しませんか今回の諸改正の特徴は「攻めの経営」に徹した企業を応援する姿勢が強く、一律に減税や補助金の支給を行うのではなく、実効性を高めるために各種の申請や認定が前提条件となることです。  各種の申請等の具体的な内容については、担当者または事務所にご連絡下さい。チャンスは活かして使いましょう!

テーマ: 税務

「病」と「病気」を明確に区分していますか

水曜日, 12月 20, 2017

今日、AIの急激な進化により、人間のあり方について様々な議論が沸き起こっています。これに打ち勝つ方法として、身体能力の維持・向上が効果的と言われています。人間の「脳」は、体調が良いときに活発化するという研究結果があるからです。

  さて、国民の健康状態はどうなっているのでしょうか。このバロメーターは、国民医療費とサプリメントで推量されます。平成28年度の国民医療費は、約41兆3千億円、サプリメント市場は約4兆円となり高額傾向は止まらず、最近ではCRT-T細胞療法として約5千万円という天文学的なガン治療法が開発されました。これらの現象は、自分の病に対し、取り越し苦労や神経過敏になった結果、過度に依存症になったことが原因ではないでしようか。

そこで、本題です。

  「病」と「病気」、おそらく大部分の人が同じと考えているのではないでしょうか。「病」と「病気」とは、その名称がはなはだ似ているが、内容が異なるものであって、厳密に言えば相当に相違するものなのです。「病」を「病気」と言うものに変化させると、率直に言えば、早く治る病を長引かし、軽くする病を重くし、時には死ななくても良い病を死に転帰させてしまうと言う不幸な結果を招く事態を誘発してしまうことがあります。

  例えば、原因不明の発熱や平常覚えのないような不快感、違和感、疼痛感を身体に感じたりする。それは、確かに肉体のどこかの部署に健康障害が生じたためで、即ち「病」である。ところが、そのまま適当の手当を施せば、寿命の終わる時の病で無い限りは必ず治癒するが、先ず大抵の人は、そういう場合、自己の有する小さな理知を基準として、あれこれと批判を始める。言い換えると、色々な推量的判断で自己診断をする。そして、その自己診断を基として盛んに心配を始める。これが、「病」を「病気」にする見本である。

  なぜ、「病」を「病気」にすると早く治るべきものを長引かし、軽く治るものを重くし、死ななくてもよいものを死ぬようにすると言う厄介なことを引き起こすかというと、即ち、病の時に何よりも重要な、病を治癒する働きを行う自然治癒力の発動を極度に阻止するからである。・・・中村天風「真人生の探究」より意訳  経営者は、健康が命です。

明けてくる平成30年が、素晴らしい年でありますようご祈念申し上げます。

テーマ: その他